狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

お見舞い

シュヴァリエ殿がダウンしているので、我が隊の2人が
お見舞いに向かった模様です(゚д゚)





今朝の瓦版の二面に、こんな記事が載せられていた。

『シュヴァリエ氏の隊のシルヴィア氏を始め、イズレーン皇国の
 将らの活躍により、マッカの国境付近で悪行を繰り返していた
 山賊の一味が壊滅し、近隣の住民は安堵している。
 尚、シュヴァリエ氏が病床に臥しているとの事だが、命に別状はない模様』

「まったく…我々も呼べば良いものを…」

その瓦版を見ながら、セルヴィスさんが呟く。
今日は狼厳さんは、朝早くから社に出仕していて不在。
何でも、山賊退治に関する報告書を書いたり、
嫌いな事務仕事が残っているらしい。

「まあ、急を要する事態だったようだしな。
 心配だったのは分かるが、そう言ってやるな、セルヴィス」

ブツブツと文句を言うセルヴィスさんに、ウォルフさんが声をかける。


狼厳さんが最終英雄の称号を貰った頃から、ウォルフさんは
狼厳さんとセルヴィスさんを、小僧・小娘と呼ばなくなった。
もう一人前だと認めた、という事なのだろうと思う。

私はと言うと、真っ赤になってウォルフさんに反論する
セルヴィスさんが少しおかしくて笑いを堪えながら、
リンゴやミカンなどを籠に詰めていた。

「…そういえば、楼華はどうしたのだ?
 先程から果物を沢山用意しているようだが…」

結局ウォルフさんに口では勝てなかったのだろう、
話を逸らそうとしてか、セルヴィスさんが私に声をかけてきた。

「あ、これですか?シュヴァリエさんのお見舞いに行こうと思って。
 果物なら食べられるでしょうし、シルヴィアさんもお好きでしょうから」


【お見舞い】


鍛錬もお休みで暇だからだろう、セルヴィスさんもお見舞いについてきてくれた。
お見舞いの果物を2人で分けて持って、洋館に向かう。

セルヴィスさんが来てから、私達2人で出かける機会は割と多い。
…とは言っても、私がセルヴィスさんを洋服を買いに連れ出したり、
セルヴィスさんが荷物持ちに付き合ってくれたりと、
買い物関連がほとんどなのだけれど。

いつか2人で、何処かに遊びに行ったりも出来たら良いな、なんて思う。


色々とお話していたら、洋館までの道のりもすぐだった。
コンコン、と扉をノックすると、中から元気の良い声が聞こえて、
パタパタと足音がする。

ガチャ、と扉が開くと、明るい金髪にエメラルドグリーンを
思わせる瞳の、快活そうな女性が顔を出した。
私と同じ弓使いの、シルヴィアさん。

『楼華ちゃんとセルちゃんだ!いらっしゃーい!』

パァッ、と笑顔で私達を出迎えてくれる。
輝くような笑顔、っていうのはこういう笑顔を言うんだろうな、なんて
思いながら、頭を下げてお邪魔する。
シャルさんはソファに腰掛けて飴を頬張っていたけれど、
私達に気付くと小さく頭を下げて挨拶してくれた。

「お邪魔します。あ、これ…お見舞いの果物です。
 お2人の分も用意してありますから、宜しければどうぞ」

そう言って、私の持っていたほうの籠をシルヴィアさんに手渡す。
こちらには少し多めに、リンゴやミカンを入れてある。
シャルさんがかけて食べられるようにと、蜂蜜も一緒に。

『わ、ありがとー!シャル、シャル!蜂蜜も貰ったよ!』

『……ありがと、楼華さんに、セルヴィスさん。
 …シュヴァリエなら、部屋…』

多分、今は起きてると思う…と、飴を口内に含んだまま
教えてくれた。
シャルさんにお礼を言ってから、教えて貰った部屋に向かう。

寝ていてはいけないから、控えめにコンコン、と扉をノックする。
耳を澄まさないと聞き取れない声だけれど、中から
『開いてる』と聞こえた。


「お邪魔します…」「邪魔するぞ」

2人揃って中に入ると、ベッドの中からシュヴァリエさんが
小さく手をあげた。

『よう…狼厳は一緒じゃねぇのか?』

「はい、狼厳さんは社での任務がありましたので。
 私達だけでお見舞いに」

「お前を助けに行くのでは、我々が置いていかれたからな。
 たまには奴が置いてけぼり、というのも悪くあるまい」

『…て事は、狼厳は今日来てる事知らねぇわけだな…』

治ったら殴られそうだな、俺。
などと少し苦しそうにしながらも笑うシュヴァリエさん。


「奴は友に無意味に手をあげる真似をするような奴ではない。
 何より、お前を殴る理由がなかろう?」

「そうですよ!…もしかして、喧嘩でもされたんですか?」


それに対して、私とセルヴィスさんはそう言った。
その言葉に、シュヴァリエさんは少し驚いたような顔で
こちらを見た。

『…素か?』

「「は?」」

シュヴァリエさんの突然の問いかけに、私とセルヴィスさんの声が重なる。
それを聞いたシュヴァリエさんは、おかしそうに大声で笑って、
咳き込んでしまった。

『はは…ケホ、コホ…やべ、腹いてぇ…。
 なるほど、狼厳も天然だが、お前達も結局似た者同士なのな…ゴホ』

ひとしきり笑った後、シュヴァリエさんはそう言った。
具合も良くないみたいだし、長居しては睡眠の邪魔になりそう。

そう考えて、私達はお見舞いの果物を手の届く位置に置いて、お暇した。







『…こりゃ、先は長ぇな…』

2人が帰った後、シュヴァリエはお見舞いに貰った
リンゴを齧りながら呟いた。
飲み物などを持ってきたシルヴィアが、その呟きに首を傾げる。

『何が?』

『あの鈍感3人衆の恋路、だよ』

当分楽しめそうだな、と意地悪く笑ってから
シャリ、とリンゴをかじった。
スポンサーサイト

Comment

 

まさか3人そろって鈍感だったとは…!
これはますます波乱を呼ぶ恋路!
本当にどうなるのこの3人!ぐぬぬ…!

しかし楼華とセルヴィスが見舞いに来るのはなかなか新鮮だった
狼厳だったらすげえ数のおにぎりなんだろうなーとか思ったんもあったり

怪我よりもこいつらの恋路が気になってそれ所じゃねえな…!w
  • posted by 皇帝 
  • URL 
  • 2013.02/27 00:04分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

皇帝殿>
ふふふ、うちの3人は狼厳だけ目立ちますが、
3人揃って鈍感で爺様はニヤニヤするやら
やれやれと溜息を吐くやらの毎日です!
いつか進展させたいなぁ、と思いますが、
それにはとんでもない事件が必要な気もします(゚д゚;)

狼厳が行こうとしたら、おにぎりを作ろうとして、
「そんなのいけません!」「この愚か者!」と2人に叱られて
結局果物とかです(ダメ

ふふふ、悶々とするが良いのですよ…!
いつか進展させるルートを作ろうっ(゚д゚)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.02/27 01:09分 
  • [Edit]
  • [Res]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

狼厳

Author:狼厳
狼牙志士隊筆頭

最新記事

くろックCute BC01

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。