狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドレス

メッセージのやり取りの中で生まれたイメージをSSに
まとめてみました(゚д゚)

魔女殿にご出演頂いております!感謝(-人-)

※訂正の可能性がありますっ




それは、ほんの些細なきっかけだった。

楼華は普段から和服…最近では周りの人に勧められて
洋服も着るようになったが、どちらにせよ女の子らしい
格好というものをしているし、それがよく似合う。

「セルヴィスさんも、たまには女の子らしい格好するのも
 楽しいと思いますよ?スタイルも良いですし、
 綺麗だから何を着ても似合うと思います!」

楼華にそう言われて、私は何となく、町に出かけた。
別に買うつもりはなかったが、見るだけ見てみるのも悪くない。
そう思ったのだ。


【ドレス】


「…ふむ…」

とはいうものの、私は女物の服が自分に似合うとは到底思えない。
セフィドの騎士だった頃には時折ダンスパーティーなどが催されて、
招待された事もあったが、いつもタキシードで参加していた。

イズレーンで最大規模と言われる店に来てみたが、やはり
目が行くのは男っぽい服ばかり。
どうしたものか…と悩んでいると、背後から声をかけられた。

『…あら、狼厳さんのところの…セルヴィスさんじゃない』

涼やかな、可愛らしい声。
振り返ってみると、イズレーンらしい和装に身を包んだ黒髪の少女と、
その三歩ほど後ろに付き従う、大量の紙袋を持った男性。

「…確か、理良とマルコシアス…だったか。…今は男性なのだな」

狼厳から友人として聞いていたので、すぐに名前は思い出せた。
…が、何故かマルコシアスは少しがっくりと頭を下げる。
…まずい事でも言っただろうか?

『そ、それには触れないで下さいませ…。
 お初にお目にかかります、セルヴィスお嬢様』

『こんな所で会うなんて、奇遇ね。お買い物かしら?』

「ああ、実は…」

私は2人に、ここに来た経緯を話した。
これだけ沢山の服を買っているのだ、この少女…理良はきっと
服を見る目が確かなのだろう。
そう思って、ほぼ初対面で厚かましいが、服を見立ててくれないか、と
頼んでみたのだ。





「…ほ…本当に、変ではないか…?」

『大丈夫よ。とても似合っているわ』

『ええ。お綺麗ですよ、セルヴィスお嬢様』

2人が私に薦めてくれたのは、深紅のドレス。
色合いは確かに良いし、豪華でありながらも存在を
さり気なく主張する程度の装飾と、確かに私好みではあるが…
肩口を露出しているし、ヒラヒラして動きにくい。

「…見立ててくれて、有難う。感謝する」

『お礼なんて良いのよ。…今度会う時に、お茶でも飲みながら
 “彼”の反応でも聞かせて頂戴。さ、帰るわよ』

『畏まりました。では、またお会いしましょう、セルヴィスお嬢様』

そう言って立ち去る理良と、あれからまた増えた紙袋を抱える
マルコシアスを見送り、私は着替えを入れた紙袋を手に持った。
本当なら買って帰ってから着るつもりだったのだが、
折角だから着て帰れば良い、という提言に乗り、ドレス姿のままで
屋敷への帰路を歩く。





…やはり、変だったのではあるまいか。
そう思わずにはいられないほど、私は人々の視線を感じていた。
気のせいかヒソヒソ話すら聞こえてくるような気がする。

やはり私は普段の格好の方が気楽で良いかな…
そんな事を考えていると、突然見知らぬ男が話しかけてきた。


『ねぇ、君。この辺りじゃ見かけない子だよね。
 何してるの?道が分からないなら案内しようか?』


不審に思い、その男を見る。
見たところイズレーンの者のようだが…狼牙志士隊所属とは言え、
新参の私では顔を知られていないのも、当然…か。


「私は…」


そう言いかけると、また別の男が私に声をかけてきた。


『そんな奴に構ってないで、俺と遊ぼうぜ。
 面白い見世物やる場所知ってるんだよ』

『いや、それよりさ…』


…気付くと、私は数人の軽薄そうな男に取り囲まれているような
状態になってしまっていた。
その男達は口々に、何か言っているが、正直いちいち聞いてやる気も起きない。

…ええい、鬱陶しいな…2~3人殴り倒してどかせるか…?

そう考えてギュッと拳を握ったのと、ほぼ同時に。


「…悪いな、皆。彼女は俺の連れだ」


と、聞き慣れた、よく通る声が耳に届いた。
周りの男共が壁となっていても一目で分かる背丈に、見慣れた顔。
…しかし、出来ればこの格好では会いたくなかった男。


『ろ、狼厳将軍!?』


ザザザッ、と人の壁が一斉に左右に割れる。
どこぞの聖者が大昔、海を割ったという逸話があったな…などと
思い出させる光景だ。


「待たせてすまないな。さ、行こうか」


私の隣に歩み寄った狼厳が、私の肩をぐいっと抱き寄せる。
突然何をするのか、と足でも踏みつけてやろうかと思ったが、
周りにいる男達を帰らせる策だろうと思い、ぐっと堪える。

狼厳の目論見どおり、男達は顔を見合わせ、引きつった笑みを浮かべて
蜘蛛の子を散らすように立ち去って行った。


「すまんな、狼厳。助かった」

「なに、気にするな。お前の手が出る前に助けに入れて良かったよ」


…拳を握り締めたのは見られていたわけか…。
…しかし、それなら…。


「…見ていたのなら、もっと早く助けに入って欲しかったものだな」


などと、軽口を叩いてみる。
すると狼厳はフッと小さく笑って、私に視線を向けた。


「すまない。あまりに美しかったのでな、見惚れていた。
 そういう服も似合うじゃないか、セルヴィス」

「…!?」


狼厳は、別に何の意識もなく、ただ思ったままを言っただけなのだろう。
表情からそれは伝わってくる。
…だからこそ、余計に恥ずかしい。

私は軽く狼厳の足を踏み、「変な事を言うな、愚か者が」と睨みつける。
…が、狼厳は笑って、「思った事を言ったまでだ」と言うものだから、
私はそれ以上何も言えなくなってしまった。


たまには、こういう服も悪くない。
現金な事だが、私はそう思っていた。
この服を選んでくれた2人には、今度お礼にお菓子でも持って行こうと思う。
スポンサーサイト

Comment

 

狼厳さんに爆弾投げたいと真面目に思いました。
ニヤニヤが止まりません。

セルヴィスさんに赤いドレスは…良い!
ギャップ萌え狙いですねわかります。
  • posted by 緑 
  • URL 
  • 2013.02/24 03:40分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

緑殿>
爆弾ですとΣ(゜д゜lll)

ふふふ…鍛えているからスタイルも良いので、
とても似合うのですよ(゚д゚)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.02/24 12:05分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

今日ほど!
今日ほど、自分が肖像画を書けないことを呪ったことはないっ(じたばた
あああああ絶対に会う、写真撮りたい、うわーーーんっ。

セルしゃんに深紅のドレスか―。
いいですねー。
確か黒髪でしたよね。
赤と黒って相性いいんですよ、うん。
どんな髪型かなー。

というか鈍感・にぶちん・なちゅらるたらしさんは、いい加減自分の発言が相手にどう影響するか解ったほうがいいよっヽ(`Д´*)ノ
  • posted by しろうさぎ 
  • URL 
  • 2013.02/24 23:36分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

しろうさぎ殿>
ふふふ、うちも想像内でしかありませんが、物凄い
美人さんなのですよ!(゚д゚)

髪型は普通にセミロングな感じ(自由記入欄参照)なので
特に弄ったりしてませんが、もしかしたらコサージュくらいは
つけてるかも知れませんね!赤いバラのコサージュとか似合いそう!

それが分かったら狼厳ではない!(゚д゚)くわっ
というわけで今後も彼は見ている皆様が「ああもう!」と思うような
発言を天然で続けますよ!(ぉ
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.02/25 00:17分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

投げるもの投げるもの…これでいいか!(爆弾ナイフひゅんひゅん

ドレスのセルヴィスさん、きっと凄い綺麗なんだろうな~
そして安定の鈍感さん…ああもう!ああもう!(じたじた
  • posted by ぷちうさ 
  • URL 
  • 2013.02/25 08:48分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

ぷちうさ殿>
ぎゃーΣ( ̄ロ ̄lll)
危険なもの投げちゃダメですよ!?

少なくとも町の男は5人中5人
振り返るレベルです(´・ω・`)
さて、次は楼華サイド…!
その前にお見舞い行かねば( ´∀`)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.02/25 12:10分 
  • [Edit]
  • [Res]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

狼厳

Author:狼厳
狼牙志士隊筆頭

最新記事

くろックCute BC01

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。