狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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狼厳の過去

さて、英雄戦も終わって一段落したので、久々にSS(゚д゚)
たまには狼厳主役に、狼厳の過去話でも!

色々考えてたらちょっと最初より重い話になったのはご愛嬌(・ω・)
続きますよ!





狼厳が普段過ごしている、温泉旅館を改修した屋敷とは違う、
年季の入った屋敷。
そこに、女子と見紛うような、線の細い男の子がいた。

可愛い物を好み、争い事を嫌うその少年は、
その性格に似つかわしくないが、武家の長男坊だった。


【狼厳の過去】


少年が暮らす世界は、戦乱の渦中にあった。
毎日のように新政府が樹立しては潰え、人民が飢える事はなかったものの、
いつ戦に巻き込まれるか、戦々恐々としていた。

少年が暮らしているのは、軍事力に秀でた東方の島国。
比較的平和だった少年の国では、武家も農家も皆等しく、
互いを尊重して暮らしていた。

武家の者は、その武で人民を守るべく、町をよく見回る。
農家の者は、そんな武家に感謝し、食べ物を提供する。

そのやり取りの中に、互いに確かに感謝の心が存在する、
そんな国だった。


…しかし、少年はあまり農家に出向くのが好きではなかった。

『やーい、ちびざむらいー!』

『さむらいのくせに、よわっちいのー!』

農家を訪れた少年に、同い年くらいの子供たちから、茶化す言葉が
投げかけられる。

とはいえ、少年も武家の子。泣いたりはしなかった。

『うるさーい!みてろよー、いつか、このくにのだれより
 つよくなってみせるからなー!』


などと言い返し、農家の子供らと相撲勝負に明け暮れた。

少年が農家に行くのが嫌いなのは、からかわれるからではない。
どんなに鍛えても大きくならない、自分の体を自覚してしまうからだ。

同い年の中には、鍛えてもいないのに遥かに自分より大きな子がいる。
何故自分だけ…そう、感じてしまうからだ。


少年には、憧れている人がいた。

厳格ながら、温かく、国内屈指の剣豪と名高かった父。
凛とした立ち居振る舞いで、学もあった母。

そんな2人の子である事が誇らしかったし、だからこそ、彼らに恥じぬ
立派な侍になりたいと、日々鍛錬に明け暮れていたのだ。


…そんな努力の甲斐もなく、少年は10歳までは、相変わらず線が細いまま。
背も、国内の同年代で一番低かったのではないだろうか。
それを悩む少年を、父は一笑に付した。


『お前はまだ子供だ、狼厳。…その鍛錬を、くさらずに続けろ。
 そうすればいずれ、この父など歯牙にもかけぬ、強き男となろう』


少年…狼厳は父の言葉を信じ、鍛錬を重ねた。


父の言葉は、偽りではなかった。

12歳の頃には、背も随分伸びた。

15歳になると、昔の相撲仲間より背が高くなり、筋肉もついた。

毎日の鍛錬が、ようやく結実したのである。


そして、16歳。元服を迎える頃…狼厳の元に、報せが届いた。
国内の二十歳未満の若い士を集め、武を競う大会を催すという報せである。

狼厳は喜び勇んで、その大会に参加する事にした。
この事が、自身の運命を大きく転換させる事など、知りもせずに。

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