狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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セルヴィスの過去

某所で欝設定などの話になり、
我が家の欝設定といえばセルヴィスかなーと思い、
折角なので設定していた過去をSSにしてみました。

結構重めな話ですが、私の文章力なので
伝わるかは分かりません(´・ω・)

セルヴィス書いたから等しく楼華とかも描きたいのですが、
設定的に書く要素が少ない…っ!
楼華も狼厳も割と平和な暮らしをしてきてるのですよ…

かつて私の家族は、セフィド神聖王国に仕えていた。
名門ではなかったが、ラーズバード家と言えば、
砦などを守る戦に長けた家系だと知られていた。


【セルヴィスの過去】


幼い頃から厳しい戦場に赴き、それを見事に守りきる
父様を尊敬していたし、私もいずれは…と、
幼い頃から脇目も振らず、剣の鍛錬に打ち込んできた。

だから、騎士になれた時は嬉しかった。
父様も母様も、年の離れた弟のセシルと妹のマーサも、
我が事のように喜んでくれた。

私の鎧は、そのお祝いの席で貰ったもの。
私が赤色が好きだからとわざわざ魔力石を特注し、
希少な金属で鋳造された、世界に1つだけの鎧。

これを装備して、砦の守備隊を初めて任され、
任務に就いた時の感動は、きっと生涯忘れないだろう。


…丁度その頃、国内外で、ある集団の噂が囁かれ始めた。
どの国にも属さず、ただ金のためだけに、依頼された人物を
殺害する暗殺者ギルド…。

民も兵も、その実在するか分からないギルドの存在に恐怖し、
少なからず国内は混乱していた。

そんな折に、事件は起きた。

父様の友であり、ライバルでもあったセフィドの騎士が、
四肢をバラバラにされた無惨な姿で、発見されたのだ。

それからも立て続けに、事件は起きた。


その翌週には、父様が懇意にしていた豪商が。

さらにその翌週には、父様が目をかけていた、有能な若い騎士が。

そして…遂には、私達に長年仕えてくれていた、執事が。


どれも同じ手口。四肢をバラバラにしたもの。
一月の間に4件、同じ国内で、同様の手口での暗殺事件が起きた。


…心ない人々が、言った。

『ラーズバード家は、暗殺者と結託し、自身に仇なす者を
 排除する人殺しの家系である』と。


曰く、ライバルの騎士は昇進の邪魔になるから。

曰く、豪商は私達に金を貸すのを渋ったから。

曰く、若い騎士は私に言い寄ったから。

曰く、執事は父様の意向に反論したから。

…どれもこれも、こじつけに過ぎない。


私は必死に無実を訴えた。
父様も当然、同様に身の潔白を訴え続けた。

国の重臣や、私達をよく知る人は、私達を信じてくれた。
…しかし…一度立った噂は、瞬く間に市井に広まる。


いつしか私達の屋敷の門前には、心ない誹謗中傷の言葉が
書かれた張り紙が張られるようになった。

いつしか私達の屋敷の窓には、石が投げつけられるようになった。

残ってくれた執事やメイド、衛兵たちは解雇した。
このまま残っていては、彼らの身にも災いが降り注ぐと、
父様や母様が判断しての事だった。
最後まで、涙を流して皆の手を握り、今まで有難うと、
そう言っていた父様や母様の顔が、忘れられない。


屋敷に、割れた窓が目立ち…落書きも貼り付けるスペースが
なくなりつつあった頃。
数ヶ月ぶりに、私に任務が与えられた。

国境の砦に、賊の襲撃が頻発しているため、
その防衛隊に加われ、というものだった。

私は家の汚名を雪ごうと、家宝である聖剣・アレシオスを佩き、出陣した。

疲れきった顔をしていたけれど、父様も母様も、セシルもマーサも、
皆で見送ってくれた。
その中に、馴染みの執事やメイド達がもういないのが寂しかったが、
私が武功を立てれば、状況が改善されると、信じていた。


…否、信じたかった。


幸いにも、防衛隊の皆は、昔の父をよく知る者達だった。
あれは根も葉もないデマカセだと、表立って擁護してくれている者達だった。
だからこそ私を隊に加えてくれたのだと思うと、とても有難かった。

賊の討伐もほとんど終わり、これでようやく、家の汚名も少しは
雪がれただろう…そう思っていた時、だった。
慌てふためいた隊長が、私の手に配られていたという
号外を渡してくれた。



『守戦の達人として知られるアロン・ラーズバード卿が、
 出征中のセルヴィス・ラーズバード卿を除く一家全員を
 殺害した上、自宅に火を放った。
 アロン卿は最近、暗殺者ギルドとの癒着が噂されており…』



目の前が、真っ暗になった。
そこからどうやって自宅に戻ったのか、記憶にない。
隊長が気を遣って、報告は良いから早く戻れ、と言って、
馬車を手配してくれた…ような気がする。

覚束ない足取りで自宅に…かつて自宅があった場所に着いた私が見たのは。

焼け落ちた屋敷の骨組みと…その骨組みに添えられた、花束。
花束に添えられたメッセージカードには…見慣れた文字。

かつて我が家に仕えていた者達だった。

『お嬢様、負けないで下さい』

『私達は何処にいても、お嬢様の味方です』

『こんな時にお傍にいる事が出来ず、申し訳ございません』

私はそれらを集めて…大事に、大事に。握り締めた。

涙は、決して流さない。流して、なるものか。


…その後、私は密かにセフィド神聖王国を出奔した。
父様が暗殺者などと結託するはずがない。

私はどうにかして、父様の無実を世に知らしめるべく…
仇敵とも言える暗殺者ギルドに、あらゆるツテを用いて接触した。

そこに潜伏し、無実の証拠を掴み、父様や母様の名誉を、取り戻すために。


そうして、そこから狼厳との出会いがあり、今がある。
物証は結局得られずじまいだったけれど、暗殺者ギルドを潰した際、
事情を知った狼厳が、私の名を大々的に出してくれたお陰で、
セフィドでは現在、ラーズバード家の屋敷を改修し、あらぬ疑いをかけた
償いとしよう、という運動が起きているらしい。


…正直、私にはどうでも良い話だ。
何をしても…もう、私の大好きだった、皆はいない。
決して、戻って来たりはしないのだから。

けれど、父様達なら…きっと、皆を許してあげなさい、と言うのだろうな。
…まだ…まだ少し時間はかかると思うけれど。

少しずつでも、セルヴィスは前を向いて、生きていきます。
だから…父様。母様。それに、セシルにマーサ。

どうか…見守っていて下さい。
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Comment

 

酷く切ない気持ちになった…
報われるといいなあ
こんなん見てしまったら
セルヴィス頑張って狼厳落とせ!って思えてしまう
強く、幸せになってもらいたいものだなあ…
  • posted by 皇帝 
  • URL 
  • 2013.01/20 05:01分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

皇帝殿>
セルヴィスは我が隊随一の重い過去持ちなのです…
爺様も、親友の息子殺しに親友殺しと、結構な過去が
ありますが(´・ω・`)

私も出来る限り幸せになって貰いたいところです…!
けれど楼華も幸せにしてあげたい…っ(゚д゚)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.01/20 10:02分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

こんにちは!
リンクありがとうございました(*´ω`)

セルヴィス嬢…幸せになって頂きたいです。
狼厳殿を巡る楼華嬢との恋の駆け引き、楽しみにしております!
  • posted by 侯爵 
  • URL 
  • 2013.01/20 15:03分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

侯爵殿>
こちらこそリンク有難うございます!
これからも宜しくお願い致しますね(`・ω・)

セルヴィス方面ばかりだと不公平ですので、そろそろ
楼華サイドで何か一本、と思っております…!(゚д゚)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.01/20 19:11分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

光景が目に浮かぶようでした……。
こんな重い過去があるのによく強く生きていられるなーって思える。
セルヴィスちゃんええ子やぁ。

時に、そろそろ楼華派閥とセルヴィス派閥が出来そうな気がしてならんのだがどうかね(KY)
  • posted by X 
  • URL 
  • 2013.01/20 20:49分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

X殿>
ここでは書いてませんが、一度狼厳の前で思い切り号泣して、
吐き出している、というのもあります!

ふふふ、実は楼華派!というメッセージも頂いたりしてるので、
派閥もありそうで嬉しいなーと思う次第です(゚д゚)
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.01/20 20:53分 
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  • [Res]

 

あうぅ、セルヴィスさんの過去がここまで重いものとは…(ぐすん

セルヴィスさんには幸せになってほしいなあ。
  • posted by ぷちうさ 
  • URL 
  • 2013.01/21 15:11分 
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ぷちうさ殿>
上手く書けなかったけど、
悲しい過去が伝わって何より…!

セルヴィスは今の時点で割と
幸せを感じてます(  ̄▽ ̄)
一緒にいてくれる皆がいるからね!
  • posted by 侍 
  • URL 
  • 2013.01/21 17:20分 
  • [Edit]
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