狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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看病

お出かけの少し後のお話。

今度は楼華視点なのですよ!(゚д゚)


狼厳さんとセルヴィスさんが帰ってきて。
その手には沢山の食べ物に飲み物、それとお薬。

未だ熱が引かなくて、頭はボーッとしていたのだけれど…
セルヴィスさんが赤い顔をしていたのだけは、なぜか
ハッキリと分かった。


【看病-楼華】


「そら、お粥が出来たぞ。食べられそうか?」

そう言って部屋を開けて入ってきたのは、狼厳さんだった。
多分だけど、ウォルフさんが持っていくように言ってくれたのだろう。
風邪が治ったらフルーツパフェを作ってあげないと。

「ありがとう、ございます…。頂きます…」

体を起こそうとするけれど、思ったより症状が酷いみたい。
目の前がくらっとして、体を支えていた腕から力が抜ける。
すーっと体が後ろ向きに倒れて、また布団に横になってしまいそう。
きちんと枕を敷いてあるから、頭を打つ心配はないな…
なんて思って目を閉じたのだけれど、一向にその衝撃はこない。

「…かなり酷いようだな…」

ふと聞こえた狼厳さんの声が、とても近い。
…気が付くと、背中を狼厳さんに支えられていた。
自然、顔がかなり近くになっている。

「ろ、狼厳…さん。ダメですよ…あまり近づいたら、
 感染してしまいますから…」

私はそう言って離れるように言う。
けれど狼厳さんは、ニッと笑って。

「何とかは風邪を引かぬ、と言うからな。
 だから俺は大丈夫だ。よ…っと…」

そう言うと動揺する私を気にせず、片手で私の体を支えながら、
もう片方の手に持っていたお粥を、近くに置いていた飾る花がなくて
寂しくなっている花台の上に置いた。

「…少し熱いからな…気をつけろよ。ほら、あーん」


そして…。…って、何をしてるのこの人!?


「ろ、狼厳さん…自分で、食べられます、から…」

「病人は安静にしていろ。ほら、口を開けて」

突然無自覚にこんな事をするから、本当に心臓に悪い。
いつか心臓が破裂したら、化けて出て枕元に立とう。
そんな事を思いながら…私は恐る恐る、口を開けた。

その中に、お粥を乗せたスプーンが入ってくる。
ほんのりと塩味が聞いていて、美味しい。

「…もぐ…」

「爺様が、市販のものに少しだけ塩を加えてくれたのだ。
 汗をかいて塩分が不足しているだろうから、と言ってな」

私が咀嚼する間も、狼厳さんは体を支えたまま、
そんな事を話してくれる。
病気の時は、何だかんだで心細い。
こういう風にしてくれると…何だかホッとする。

「よし…食べられたな。無理はしなくて良い、食えるだけ食って、
 薬を飲んでゆっくり眠れ。しばらくは家事は俺たちに任せて、な?」

私が飲み込んだのを見ると、狼厳さんは次の一口分をスプーンに掬って、
私の口元に運んでくれた。それをまた口を開けて頂きながら、
狼厳さんの言葉に、私は感謝の気持ちを込めて頷いた。

…たまには風邪を引くのも、悪くないな…なんて考えたら、
少しだけ、また熱が上がった気がした。





「……」

その頃。セルヴィスは広間で本を読んでいた。
最近お気に入りらしい、新しい戦術書だ。
その後姿に、ウォルフガルドが声をかける。

「…気になるか?」

普段であれば、自室で本を読むセルヴィス。
それが広間にいるという事は、狼厳と楼華が気になるのだろう。

「…多少、な。…しかし、抜け駆けはフェアではない。
 楼華とはあくまで…正々堂々と、だ」

全て見透かしているウォルフガルドには隠そうともせず、
そう言うセルヴィス。
こうして、楼華の風邪に端を発した一日は、
ゆるやかに過ぎていくのだった…。
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