狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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暗殺者?

その日は天気も良く、鍛錬も珍しく休みだった。

暇を持て余した狼厳は、散歩ついでに楼華から
食材の買い出しを頼まれて、町に繰り出していた。



物凄く久しぶりなRP。
安西先生…文才が欲しいです…ガチでorz





「…ふむ。後は米を二俵、か…。
 …楼華め、ここぞとばかりに重い物ばかり…」

買う物を可愛らしい字で記してある楼華のメモを片手に、
それぞれの商店を見て回る。
最後に記してあったのは、米ニ俵だった。
これは流石に狼厳かウォルフガルドがいないと、
楼華が運ぶには酷なものである。

「親父、儲かっているか?」

『お、狼厳の旦那。買い出しかい?』

馴染みの米屋に顔を出すと、中年の店主が愛想の良い
笑顔で狼厳を出迎える。
米の消費量がとにかく半端ではないため、必然的に
ここにはよく来る。
常連客と言っても過言ではないだろう。

「ああ。米を二俵、貰えるかな?」

『…相変わらず凄いなぁ…。これ、3人で食うんだろ?』

「うむ。この店の米は美味いからな、つい食いすぎてしまうのだ」

『あはは、煽てたって値引きはしないぜ?…はい、御代は確かに』

「では頂いていく。邪魔したな、親父」

楼華から預かったお金を渡すと、米二俵を右肩に乗せて店を後にした。


「…」

店を出て、町を離れる。
人気のない森の中を敢えて歩き、少し開けた場所に出ると、
大木の陰に米俵を置いた。

「…先程から尾けて来ているが…俺に何か用か?」

そう言って後ろを振り向く。
イズレーン皇国の民ではないと一目で分かる、赤い鎧に身を包んだ、
中性的な顔立ちの人物がそこに立っていた。

『…狼牙志士隊の、狼厳だな?』

気付かれていた事に動揺する様子もなく、
追跡者――声から判断するに女であろう――は口を開いた。

「…そうだが」

応えつつ、狼厳は刀の柄に手をかける。
甲冑がカタカタ、と微かに反応を示している。
装着者に対する害意を感じ取った証だ。

『貴様に恨みはないが…死んで貰う』

そう言って女は佩いていた二本の剣を抜いた。
隙の少ないその構えから、かなりの使い手である事は
容易に想像できた。

「随分と大胆な暗殺者だな。殺気を剥き出しにし、
 わざわざ気付かせてから挑んでくるとは」

そう言いながら、狼厳もゆっくりと刀を抜く。
その間、攻めてくる素振りも見せず、女は狼厳が
構えるのをじっと待っている。

『…ふん。貴様など、わざわざ闇討ちするまでもない。
 正面から挑んで倒せる、そう判断したまでの事』

狼厳が刀を上段に構えるのを見てようやく、女も構えなした。
…そして、町から響いた鐘の音を合図に、同時に
地を蹴って間合いを詰め、刀と剣をぶつけ合った。





刃を交えてから、およそ一時間。
未だ決着はつかず、剣戟の音が森の中に響き続けていた。

狼厳が刀を振り下ろせば、女の二本の剣がそれを阻み、
女が剣を繰り出せば、狼厳がそれを躱し、反撃に転じる。

「ふふ…やるな、女。言うだけの事はある」

『く…ほざけ…!』

が、一進一退の攻防も、次第に優劣が定まっていく。
イズレーン皇国の将として幾多の戦場を渡り歩いた狼厳と、
太刀筋や身のこなしこそ優秀ながら、恐らく実戦経験に
乏しいと思われる女。
それに加え、体力の差。

次第に狼厳の太刀を捌き切れなくなりつつあった。

「太刀筋から察するに…お前はセフィドの騎士だな?
 セフィドの王宮に、暗殺を良しとする者がいるとは考え難い。
 …何処の手の者だ?」

『…何の、事だか…分からぬ、な…!』

それでも、一種の悲壮感すら感じられる懸命さと、
持ち前の才覚で狼厳の攻撃を凌ぎ、バッと間合いを取った。

「…小僧、何処だ!」

「狼厳さーん!聞こえたら返事をしてくださーい!」

その時、帰りの遅い狼厳を心配して探しに来たのであろう、
楼華とウォルフガルドの声が聞こえた。

『…くっ…!勝負は預けるぞ、狼厳!』

「待て!貴様、名は…!」

一瞬そちらに気を取られた隙に、女は走り去って行った。
狼厳も、それを追おうとはせず、そのまま見逃す事にした。

「小僧、無事か!?」

「狼厳さん…良かった、不審者と交戦しているって、お米屋の
 おじさんが教えてくれて…!」

聞くと、釣りを渡し忘れたので後を追っていた米屋の店主が、
襲撃を受けていたのを目撃し、屋敷に連絡してくれたのだそうだ。

「大丈夫だ。少し…本格的な手合わせをしていたようなものだ」

心配する2人にそう笑いかけ、米をウォルフガルドにも一俵
持って貰ってから、帰路につく。

…しかし、狼厳は、恐らくあの女の襲撃がこれからも
続くであろう事を、本能的に感じ取っていた。
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