狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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イズレーンの危機・終結

「おおおぉぉっ!」

群がる魍魎を、光明之太刀で斬り伏せる。
御大将が魔龍と化して以来、イズレーンの地には魍魎が普段より
多くなっていた。


御大将ストーリー進行記念。
少し長め(´・ω・)
そしてNPC勢の台詞が「誰てめぇ」状態!




「小僧!これではキリがないぞ…一時後退し、砦の兵達と合流すべきではないか!?」

ウォルフの爺様は、盾で攻撃を防ぎつつ、片手の刃を潰した剣で魍魎を打つ。
トドメを刺すのは、遠方からの楼華の狙撃だ。

「ダメだ!今、砦にいる者達では…この魍魎には太刀打ちできぬ!」

各地に出没した魍魎の討伐や、魔龍の調査で、名だたる英雄は
この地には不在となっている。
この要衝に派遣されたのが俺達だけと言うのだから、
今どれだけ国が追い込まれているかが分かる。

一匹の魍魎の攻撃を防いだ俺の横から、新たに現れた魍魎が俺を鋭い爪で切り裂こうとし…
その眉間を、矢で射抜かれて絶命する。

「ですが、かれこれ半日は戦い続けています…私のほうも、矢がそろそろ…!」

「…く…爺様、楼華の護衛を!俺が殿を務める…その間に補給して来てくれ!」

「馬鹿者!この数の魍魎相手に殿など、自殺行為だ!お主も退…け!」

纏わりつく魍魎を薙ぎ払い、爺様がグイッと俺の腕を掴む。
それを振り払おうとした…次の瞬間、異変が起きた。


「…魍魎が…退いていく…?」

「…何事だ、突然…」

俺も爺様も、何が起きたか分からず、呆然とする。
楼華に至っては、気が抜けたのか地に座りこんでしまった。


それから数分の間に、辺りを埋め尽くしていた魍魎の姿は、綺麗サッパリなくなっていた。
一体何が起きたのか…立ちつくす俺達に、突然現れた影が声をかける。

「…狼牙志士隊…急ぎ、社へ。ソウガ様に、異変…」

彌陰衆中忍頭・カザイ殿。
感情を表す事のない方だが、この時は微かに高揚しているようにも見受けられた。
…いや、気のせいかも知れない。相変わらずの無表情のようにも見える。

「御大将に!?一体何が…」

「…」

俺の問いかけに応じる事はなく、現れた時と同様、音も気配もなく、
カザイ殿は姿を消した。

一瞬の間を置いて、

「…戻ろう。爺様、楼華、動けるか?」

「無論だ」

「ええ、私もどうにか…」

3人とも、全身ボロボロだ。
久々にあれだけの長時間戦ったのだ、それも無理はない。

だが…御大将に何かあったと聞けば、意地でも戻る。
それがイズレーンの士である我々の務めだ。




社に戻ると、そこには既に、先に召集されたのであろう
我が国の英傑達が勢ぞろいしていた。
皆それぞれボロボロであったが、やはり見慣れた戦友の顔を見ると落ち着く。
皆もそれは同じなのか、いつものように軽口を叩き、笑い合っていた。

何故呼ばれたのかは、皆もまだ知らされていないようだった。
皆もカザイ殿に知らせを受けたというのだから、あの方の神出鬼没っぷりには
感心してしまう。

暫く経つと、ソウマ殿・ラゴラオ殿・ナギ殿という重臣が沈痛な面持ちで
本殿から現れた。

シン…と一気に静まり返る場。
ナギ殿などは目元を押さえ、今にも泣き出しそうだ。

最悪の事態。それを覚悟せざるを得ない表情。

「…実は…ソウガ様が…」

ナギ殿が重い口を開く。
ごくり、と無意識に喉が鳴る。

「目を覚まされたんだ…」

相変わらず、沈痛な面持ちでそう語るナギ殿。
その言葉の意味を理解するのに、少しの時間がかかった。


その言葉の意味が浸透すると、普段は静かな社の中に、歓声が響く。
それを聞いてようやく、ソウマ殿もラゴラオ殿も、ナギ殿も笑顔に変わった。

「まったく…悪戯が過ぎますよ」

「がっはっは!良いではないか。
 婿殿の快気祝いだ、これくらいの戯れは許されよう」

「ふふ、そうさね…。…さ、あまり騒がしくしても悪い。
 宴をやるなら、表の大広場でやるとしよう」

苦笑するソウマ殿に、豪快に笑うラゴラオ殿。
そして、本殿に目をやりつつ、皆に外に出るよう促すナギ殿。
久しぶりに、社に活気が戻った瞬間だった。


-----
その奥。本殿では、布団にソウガが横になり、その傍に
アオイが寄り添っていた。


「…随分と騒がしいな」

「皆、ソウガ様のご帰還を喜んでいるのですよ…」

「はは…有難い事だ。あいつらに報いるためにも、これからは
 今まで以上に頑張らねぇとな」

「はい。ですが、病み上がりなのですから…ご無理はなさらないで下さいね?」

「分かってるさ。アオイ様をこれ以上泣かせると、うちの英傑達に
 恨まれちまうかも知れねぇしな」

「ふふ…」

「…それに、俺も…アオイ様の泣いてる顔よりは、笑顔を見ていたいからな…」

「…ソウガ様…」

「…悪かったな…心配かけちまって」

「…ソウガ…様…っ」

アオイは、遂に堪えきれずに、その双眸から涙を溢れさせた。
そしてそのまま、ソウガの胸に飛び込んだ。
そのアオイを、ソウガは自身の腕で、優しく包み込んだ。

愛しい者を、傷つけずに腕に抱ける幸せ。
近しい者と、腹の底から笑い合える幸せ。
仲間達と、酒を酌み交わし、美味い物を食える幸せ。

これから、ソウガを待ち受けているのは苦難と戦乱の日々。
しかし、彼は『人間』となったのだ。
普通の人々が、普通に味わえる幸せを、存分に噛みしめて。

今日も彼は、遅れを取り戻そうと、政務に軍務にと、励むのだった。
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