狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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狼厳と正宗の馴れ初め-1

一応決めてはいるものの、文にはまとめてなかったので
こそこそと('、3)_ヽ)_

ちょっと長くなったので分割!




「…ふと思ったのですが、狼厳さんと正宗さんは、どういう経緯で
 お付き合いする事になったんですか?」


食事を終え、皆で居間でのんびりしていた時の事。
唐突に、楼華がそう尋ねてきた。


「そういえば、知らないな。差し支えなければ聞いてみたいところだが」

『聞きたいごぶー』


セルヴィスとゴブ吉も、楼華の言葉に追従するように口を開く。
そういえば、爺様には相談したものの、他の者に話した事はなかったか。

チラリと俺の隣に座っている正宗を見る。
食後のデザートのアイスに夢中になっていたらしく、
どうした?と言わんばかりに小首を傾げられた。

その様子に小さく苦笑し、少し考えてから、俺は話し始めた。



【狼厳と正宗の馴れ初め-1】







正宗と俺が知り合い、共に裏社会の組織を1つ潰して以降、
互いに『借りを返す』という名目で、共闘する機会も多くなっていた。

ある時には、俺の魍魎退治に正宗が帝国から援軍に現れ、
またある時には、正宗の敵対組織制圧に俺が協力する。

そうして、幾度か共闘をすると、戦闘時とは
違う相手の姿を見る機会も増える。

あれは…確か、夏頃。
俺の魍魎退治に助力してくれた正宗を、国境付近まで
見送っていたときの事だった。

とある茶屋の近くで、正宗の足がピタッと止まった。
どうしたのかと思い、その視線の先を追ってみると、
皇国の若い女達が、餡蜜を美味しそうに食べている姿があった。


「あれは餡蜜と言ってな。みつまめに餡を持った菓子だ。
 餡が分からないか…とりあえず、甘いものだ」


見たことのない食べ物に興味を示しているのだろうと思い、
俺は横からそう説明をしてやった。
正宗は「そうか」と返事はしたものの、視線は餡蜜を
じっと見据えていた。


「手助けしてくれた礼だ。食っていこう。俺も小腹が空いたしな」

「…どうしてもと言うなら、付き合ってやる」


表情は崩していないが、恐らく喜んでいるのだろう。
正宗の微妙な感情の変化が、声音から読み取れるようになったのは、
そのくらいの頃からだったと記憶している。


店内に入り、餡蜜を2つ注文した。
暫くして運ばれてきた餡蜜をスプーンで口に運ぶと、
上品な甘さとひんやりとした心地よい食感。
甘いものをさほど食べない俺でも、美味と分かる品だった。

正宗のほうを見てみると、スプーンを口に運んで
餡蜜を一口食べた状態で固まっていた。
他の者が見れば口に合わなかったか、と思っただろう。
しかし俺は、よほど気に入ったのだな、と思い、


「美味いだろう?」


と笑って言った。
正宗は無言でこくりと頷くと、そのまま二口目、三口目と、
黙々と餡蜜を食べていく。


「甘いものが好きなのか。普段は凛としているが、
 可愛らしいところもあるのだな」


黙々と餡蜜を食べる姿が、普段とはまるで違っていて、
その時俺は思ったままを口にしていた。


「…バカな事を言うな」


ジロリ、と鋭い視線が投げかけられた。
とはいえ、本気で怒気を孕んだものではなかったので、
俺は小さく笑ってから、自分の分の餡蜜を平らげた。

正宗が食べ終えるのを待ってから、会計を済ませ、
再び帝国への帰路に就く。


「…では、ここで。今回は助かったぞ」

「ああ。見送りご苦労だった」

「また会う機会もあるだろう。
 次にそちらに行く時には、土産に何かこちらの菓子でも持っていこう」

「…ふん、別に菓子など不要だ。まあ、貰ってくれ、と言うなら
 貰ってやらんでもない。ではな」


無愛想にそう言った正宗だったが、恐らく大層楽しみにされただろう。
これは良いお菓子を買っていかなくてはな…と、俺は思った。






「…思えばあの時から、不意に見せる正宗の少女らしい一面に、
 俺は惹かれていたのかも知れないな」


時折相槌を打ちながら話を聞いている3人に、
記憶の引き出しを開けながら語る。


「…何の話をしているんだ、狼厳」


アイスを食べ終えたらしい正宗は、ジトッとした視線を
こちらに向けていた。
今でこそ俺達の前では表情を変える正宗だが、出会った当初は
それこそ仮面を被っているように無表情だったものだ。


「楼華達に知りたいと言われたもので、な。
 別に構わないだろう?」

「…構わないが、恥ずかしいだろう…」

「ふふ、良いではないか。事実なのだから」

「むぅ」


少し気恥ずかしそうにする正宗の頭を撫でてやっていると、
楼華が少し身を乗り出してきた。
こういう手の話を、楼華は意外と好む。


「それで、どのあたりで狼厳さん達は、お互いに好意があるって
 知ったんですか?」

「ん、そうだな…あれは確か――」


                              狼厳と正宗の馴れ初め-2へ続く。
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