狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

聖なる夜

久々のSSです。

ほんのちょっとだけヤーンな描写があります(゚д゚)





刻碑暦998年・12月。
今日は何処からか伝わってきた、クリスマスという日らしい。

何でも偉大な人物の誕生日らしいが、詳しくは分からん。

世間一般でも、その人の誕生日を祝うよりはむしろ、
恋人の間や家族の間で、プレゼントを贈り合ったり
ケーキやご馳走を食べたり、パーティーをして楽しむ人が多いようだ。

それは我が家でも例外ではなく、夜には皆でパーティーをした。
とは言っても、我が隊の面々と屋敷に同居している正宗達だけで
行ったものだが。



【聖なる夜】


楼華や朔殿・雛殿が張り切ってご馳走を用意。
セルヴィスは部屋の飾りつけ。
爺様は自作の冬野菜を収穫。
ゴブ吉は…何やら物珍しい料理やお菓子に目をキラキラさせていた。

俺は皆へのプレゼント選び。
正宗にもそれに付き合って貰った。

結果的にプレゼントは皆に喜んで貰えたし、良いクリスマスになった。
今までさほどこういった行事を気にしていなかったが、
来年からはちゃんとするようにしよう…そう思うくらいに、
俺も楽しめた。


「雪か」


パーティーも終わり、他の部屋の皆も寝静まったらしく、
しんと静まり返った屋敷の中。
ふと見た窓の外は、薄く白銀に染まっていた。
道理で今夜は冷えるわけだな…と思いながら、
隣で眠っている正宗を起こさないように布団を抜け出し、
しばらく外を眺めていた。


「…そんな格好でいると風邪をひくぞ、狼厳」


暫くして、どうやら起こしてしまったらしい正宗が、
小さく欠伸をしながら俺に声をかけた。
もぞもぞと布団を体に巻きつけて、「何かあるのか?」と
言いながら、俺の隣に立つ。

布団に隠れていない、白く細い肩を抱き寄せて、
「ああ、雪が降っているのだ。綺麗だぞ」と言うと、
擦り寄るように体を密着させて窓の外を見た。


「本当だ。帝国だとよく見たが、皇国では珍しいな」

「うむ。あたり一面に雪化粧が施されて、綺麗だろう?」

「そうだな…」


布団越しながら、正宗の体の温もりと柔らかさが俺の手に伝わる。
流石に上半身に何も着ていないと少しばかり肌寒いが、
こうしていると暖かくて心地良い。


「…さて、いつまでもこうしていると風邪を引くな。
 そろそろ休もう。明日はお互いに遠征があったろう」

「あぁ、そうだったな。狼厳も確かオーラムだったか」

「帰りにいつもの場所で待ち合わせて、最近出来た喫茶店にでも寄るか。
 ケーキが美味いと聞いているぞ」

「そうなのか!それは楽しみだな…」


ケーキの事を伝えると、正宗は嬉しそうな笑顔を見せて、
それから俺と共に布団に戻った。

正宗は自分の体を包んでいた布団を俺にかけて、
体を寄せてお休みの挨拶と口付けをして、目を閉じた。
よほど眠かったのだろう、少しすると、小さく寝息が聞こえ始めた。

その細い体を少し強く抱き寄せて、俺も目を閉じる。
人肌というのは、こうも心地良い温度なのだな…などと
考えている間に、俺も夢の中に誘われていった。

こうして誰かと共にいて、喜びや悲しみといった感情を
共有出来る事を、幸せだと感じた。
昔俺がいた武人としての家族とは違う、一般的な家族とは
こういうものなのだろうな、と思った。

そして…そんな家族となるのなら、俺の隣にいるのは、
正宗以外には考えられない。
そんなことを思った、聖なる夜だった。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

狼厳

Author:狼厳
狼牙志士隊筆頭

最新記事

くろックCute BC01

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。