狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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狼厳と正宗・第三幕

狼厳と正宗、一応これにて完結!(゚д゚)

あとは単発で普通に甘いやつとか書こうかなー_(:3 」∠)_




『…言っておくが、本来ならあんな奴、私一人で
 どうとでもなったんだからな』


俺の膝の上で話を聞いていた正宗は、食べ終わったらしい
アイスの棒を手で弄びながら、少し不貞腐れたように言った。
俺はその様子に小さく苦笑して頭を撫でてやってから、
その続きを思い返した。


【狼厳と正宗・第三幕】



謎の男が正宗を攻撃している。
部下達も迎撃しようとするものの、男の部下の魔法の攻撃に晒され、
身動きが取れずにいた。


『…チッ…』


正宗が小さく舌打ちをする。
俺との戦いで体力・魔力ともに消耗していても、
気力だけは萎えていないようだ。


俺は刀を握り直し、男に向かって駆け出した。
…が、俺に気付いた男の部下が、雷撃で俺の足を止める。


『…なんの真似です?貴方はもう用済みですので、
 お帰り頂いて構いませんよ?』


正宗から視線を外さずに、男が興味なさそうに言った。
この男は心底、正宗に執着しているのだろう。
それ以外がどうなろうと構わないし、それ以外がどうするかなど
考えもしない、そういう様子だ。


「武人の一騎打ちに水を差しておいて、ただで済むと思ったか?
 貴様等には、俺が直々に灸を据えてやろう」

『くふふ、愚かな。
 剣しか取り柄がない上、体力を使い果たした貴方に何ができると?
 邪魔をするというのなら良いでしょう。
 そこの小娘共々、ぶちのめしてくれるわ!』


男はそう叫ぶと、俺に向けても雷撃を放ち始めた。
正宗の攻撃と比較すれば軌道も単純で、かつ動きも遅く威力も低い。
いくら疲弊していても、避けるくらいは容易い。


『何の真似だ、狼厳とやら。手助けなどいらないぞ』


正宗も敵の攻撃を回避しながら、俺にそう言ってきた。
…とはいえ、回避し続けていれば、自然とさらに体力は奪われる。
悠長に話している時間はなかった。


「そう言っていられる状況でもあるまい。
 俺が時間を稼ぐ。その間に魔力を溜めろ。
 獲物を横取りするような真似はせぬよ」

『…好きにしろ』


不服だが、状況を客観的に見る能力に長けているのだろう。
まだ若いようだが、流石に組織の幹部を任されるだけの事はある。

俺が敵のほうにジリジリと詰め寄ると、相手の攻撃が俺に集中し始める。
無論、正宗とその部下への牽制もあるものの、7割方の攻撃は
俺に向けられている。

当然すべては避けきれず、何度か攻撃を受けはしたものの、
正宗の雷撃から比べれば、この程度の雷撃は静電気に等しい。


『ええい、ちょこまかと!何をしている!
 あんな腕力馬鹿の侍一匹、さっさと仕留めてしまえぃ!』


男が苛立たしげに吠える。


「負け犬の遠吠え…というやつか?」


その怒りを利用しない手はない。
ニヤリと笑ってそう嘲ってやれば、ものの見事に顔を
真っ赤にして雷撃を放ってくる。

どうやら、気付いてはいないようだ。
少し奥まった場所で高まりつつある、膨大な魔力に。


『…狼厳、もう良いぞ』


それから少しの間、時間を稼いでいると、奥から
凛とした声が響いた。
そこでようやく、男達も正宗の膨れ上がった魔力に気付いたのか、
血の気のひいた顔を見せる。


「思いのほか、早かったな」

『ボクを誰だと思っている。このくらい出来なくては、
 組織の長は務まらないさ』


すっかり戦意の失せた男達を尻目に声をかけると、
フッと不敵な笑みを俺に見せた。


『さて…これで終わりだ。覚悟は良いな?』


男達の放つ雷撃とは比較にならないほどの雷を手に宿し、
正宗は冷淡に、男達に告げた。



結果、男達は正宗の雷撃により、全員意識を失った。
辛うじて息があるのは、無駄にしぶといからなのか、
あるいは正宗が加減をしてやったのか。

気絶した男達は、正宗の部下の手で手際よく縛り上げられ、
そのまま彼女の組織に連れ帰られたようだ。


『…一応、礼を言っておく』

「なに、俺も手合わせの邪魔をされて不快だったからな。
 気にする事ではない」

『借りを作りっぱなしというのは、ボクの性に合わない。
 お前が調べている組織について、教えてやろう』





正宗の情報は、概ねこのようなものだった。
イズレーン皇国などに薬物を流しているのは、この男のいる組織だったらしい。

正宗達の組織が帝国の悪徳官僚を相手にしているのに対し、
あの男達の組織は民衆を食い物にしている。

双方の組織は敵対しており、最近正宗の組織は本格的に
この組織の殲滅に動いているそうだ。

以前俺が正宗達と倉庫で鉢合わせたのも、この男達の組織が
皇国軍と正宗達を争わせるために仕組んだ罠だったのだろう、と
正宗は言っていた。


幸い、この男の組織は、この男が幹部を張れる程度の規模。
そういう事情であるならばと、俺と正宗とが手を組んで
本部を襲撃したら、二時間とかからずに壊滅させる事ができた。





「…あれから、何度か偶然に出会って、交流を重ね…
 こういった仲になったのだったな」


思い返すのを止めて、膝の上の正宗に声をかける。
今、かつて強敵であったこいつは、俺の女だ。


『…』


返事がないので顔を覗き込んでみれば、正宗は小さく寝息を立てていた。
食べ終えたアイスの棒はしっかりと握られていたが。


「…やれやれ」


小さく苦笑して、俺は正宗を自室の布団に運んだ。
話し疲れたのか、俺も少し眠い。
そのまま正宗の隣に横になり…そのまま、瞳を閉じる。
睡眠に落ちるのに、さほど時間はかからなかった。


たまには、こういうゆっくりとした時を過ごすのも悪くない。
彼女のシャンプーの香りとぬくもりを感じながら、
俺は幸福を感じていた。
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Comment

NoTitle 

|・ω・)コソコソ
このシリーズ気になって読ませていただいておりました、完結お疲れさまなのです!

戦闘描写が相変わらず素敵だなーと思いつつ、
これから甘々な展開が待っているのだろうという事で楽しみだなーとニヤニヤしつつ読んでいました(正座待機)
  • posted by 春風 
  • URL 
  • 2013.09/09 21:43分 
  • [Edit]
  • [Res]

NoTitle 

うちの戦闘描写なんてヘタレなものなのです…!

甘々なお話もそのうちも書きますよ!書きますよ!
でもその前に書きたいお話が…ぁぁ…_(:3 」∠)_
  • posted by 狸侍 
  • URL 
  • 2013.09/09 22:00分 
  • [Edit]
  • [Res]

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