狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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狼厳と正宗・第二幕

前回のSSの続きであります(゚д゚)

なんだか消化不良というか、ぐぬぬ
文才がほしい(´;ω;`)




『狼厳、何を考え込んでいる?』


昔を思い出していると、俺の膝の上でアイスを
食べていた銀髪の少女が尋ねる。

その姿に小さく微笑んでから、ぽんと頭を撫でてやれば、
俺の胸板に背を預けてきた。


「昔のことを思い出していたのだ。
 お前と出会った頃の事を、な」

『…そうか。お前とは三度手合わせをしたんだったか?
 とはいえ、私は一度目はほとんど覚えてない。
 記憶に残っているのは、二度目の時だ』

「一度目は瞬く間に負けたからな、無理もない。
 …二度目の手合わせの時、か…」



【狼厳と正宗・第二幕】



正宗という名の少女に手痛い敗北を喫してから数ヶ月。
あれから俺は、数多の強敵との戦いを経験し、多くの仲間を得た。

今なら、あの少女とも渡り合えるのではないか。
そんな思いを抱いているが、あれ以来組織の情報は
一向につかめず、軍として表立って動く事は出来ずにいた。
再戦したいという気持ちを抱きつつも、俺は皇国軍の武将として、
遠征の日々を送っていた。


「狼厳さん、彌陰衆から…」


ある日、軍議を終えて帰宅した俺に、楼華がそう声をかけた。
その手には厳重に封のされた書類が握られている。

それが何であるかは、すぐに分かった。
その少し前に俺が依頼して調査して貰っていた、
例の銀髪の少女…正宗のいる組織に関する事であろう。

俺は楼華からそれを受け取って礼を言うと、私室に入って
それを読み始めた。


『幹部に雷の魔法を使う銀髪の少女がいる組織は、
 ヴァルトリエ帝国の組織でほぼ間違いない。
 最近の活動は未だ詳しくは掴めていないが、近々オーラムの
 草原地域にて敵対する組織との抗争が行われる模様。
 大規模な戦いになる事が予測されるため、
 幹部が現れる可能性も高い』


簡単に言えば、そのような事が記されていた。
また、オーラム領内での出来事であるため、
表立って軍を動かすことは出来ない。
救援は期待しないよう、との注意書きも付け足されていた。

だが、それだけ分かれば十分。
その日はゆっくりと眠って、翌朝早く、師である
ウォルフガルドに、私用があるので暫くオーラムに行くと告げて、
日課の鍛錬を中止し、光明之太刀を佩いてオーラムへと出立した。





オーラムに着いた俺は、まずは以前正宗と遭遇した場所のような、
人気がない場所の捜索を開始した。

昔よりも多少気配を感知する事が得意になったので、
あれほど強大な魔力を持つ相手であれば、多少距離があっても
存在を認識するくらいの事は出来る。

微かに、しかし確実に、あの魔力に似た波動を感じる。
それを頼りに、俺は歩みを進めていた。


暫く路地裏を歩いていると、広い空き地に出た。
元は何かの建物でも建てる予定だったのだろうか、
所々に建材が置かれている。

しかし、その建材は既にボロボロになっていて、
ここが放棄されてからそれなりの時間が経っている事が窺えた。


その空き地の、奥。
10人の黒服の男を従えた、銀髪の少女。
見紛うはずもない後姿だ。


「見つけたぞ、正宗」


俺は刀を抜いて、そう声をかけた。
黒服の男達は各々の武器を取り出し、
こちらを向きつつ身構えた。
やはり、身のこなしには隙がなく、それぞれが
相当の鍛錬を積んでいるのが分かる。


『…誰だ、お前は。ボクに何か用か?』


身構える部下達の奥、正宗は平然と振り返り、
その真紅の瞳で俺を見た。
覚えていないのも無理はあるまい。
前回は瞬く間に決着がついた。

だが、今回はそうはいかない。


「俺の名は狼厳。イズレーン皇国の将だ。
 貴様らには組織について、聞きたい事がある。
 少し同行願おう」

『…ボク達は今忙しい。
 お前などにかまっている暇はない』


そう言って、少女が魔力を高め始めた。
…と、そこで、部下達が間に入った。


『この程度の輩、正宗様が手を下すまでもありません』

『ここは我々にお任せ下さい』


俺相手に全員でかかるまでもないと判断したのか、
10人のうちの3人が俺の前に立ち、身構えた。
正宗も、彼らに任せて問題ないと判断したのだろう。
高めていた魔力を霧散させ、腕組みをして様子を眺めていた。


『お前の事は覚えているぞ、イズレーンの雑兵』

『あれだけ手酷くやられておいて懲りぬとは、
 よほどの命知らずと見える』

『わざわざ正宗様の手を煩わせるまでもない。
 我らだけで片付けてくれよう』


見れば、この3人は以前の戦いの際にも居合わせた。
あの負け方を見れば、このように侮られるのも仕方のない事だ。


「…あの時の俺と同じだと思うなよ」


確かに、以前の俺ならこの3人相手でも苦戦しただろう。
だが、あれから数ヶ月の間。
俺は多くの英雄と戦い、腕を磨いてきたのだ。





勝負はすぐに終わった。
3人相手にして、20秒ほどかかっただろうか。

急所は外したし、致命傷となるほど深い傷は与えていない。
ただ、戦意を削ぐには十分であったろう。


『…こいつらをこの手際で倒すか。
 なかなかの腕前のようだな』


そこでようやく、奥にいた正宗が俺の前に出た。
奥にいる間に蓄えていたのだろう、右腕からは既に以前のような
魔力を感じられた。


『狼厳といったな。
 いいだろう。ボクが相手をしてやる』

「そうこなくては…。いざ、参るぞ」






雷撃が放たれ、それを紙一重で避けながら狼厳は距離を詰める。
至近距離に肉薄して刀を振るうが、それを正宗も紙一重で避けつつ、
後退しながら雷撃を放つ。

体力に勝る狼厳が有利なようにも見える。
事実、正宗は魔力もかなり消費し、回避する動きも若干鈍っていた。

だが、それは狼厳も同じこと。
ただの攻撃を避けるのではなく、雷撃という軌道の
読みにくい攻撃を避けるのだ。
普段より集中力も必要となるし、体力も使う。


周囲の正宗の部下達も手を出さず、熾烈を極める一騎打ちの
結末を固唾を呑んで見守っていた。


「『…!?』」


が、その時。
正宗から放たれたものより威力の数段劣る雷撃が、
狼厳と正宗の間に放たれた。

咄嗟に互いを突き飛ばして事なきを得ると、2人は同時に、
飛来した雷撃のほうを睨み付ける。


「『誰だ!』」


手合わせに熱中して気付かなかったが、そこには中年の魔術師風の男と、
その配下と思しき数名の魔術師がいた。
あるいは姿を消す類の術を使って近づいたのかも知れない。


「…貴様は…」


リーダー格らしき中年の男には、見覚えがあった。
数ヶ月前、正宗と初めて戦った時、正宗達の居場所の情報を俺に
教えてくれた人物だった。


『くふふ、あれを避けるとは、流石は雷帝。
 ですが、ここまでです。その男との戦いで体力と魔力を
 削られた貴女に、果たして私が倒せますかね?』


どうやら、俺は眼中にないらしい。
男は正宗を、どこか狂気を感じさせる瞳で見据えていた。


『ふん…お前ごとき、今のボクでも充分だ』


正宗はそう言い放つと、片手を男に向けて翳す。
そして、雷撃を放つが…その威力は弱く、男の防護魔法に
あっさりと防がれてしまった。


『くふふ、弱い弱い!やはり疲弊しているようですねぇ。
 倒す…今日こそお前を倒してやるぞ、小娘!
 よくも今まで私を散々虚仮にしてくれたなぁぁぁぁぁ!』


男の魔力が、途端に高まる。
それでも正宗の全力の時の3分の1程度でしかないのだが。

正宗の部下達が正宗をかばうように動くが、
それでも数では不利。加えて、正宗の部下の主力らしき
3人は、俺が戦闘能力を削いだばかりだ。


…その騒ぎの中、
俺は刀を握りなおし、未だ動けるだけの余力があるかを確認していた。
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