狼牙志士隊の日誌

イズレーン皇国所属・狼牙志士隊の日誌

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老いては益々壮んなるべし

だいぶ前にイラストを頂いて、それ以来練っていた構想です。

お一人許可を頂けていないのですが…!
お忙しそうですので、勝手にアップしてしまいました。

後ほどしっかりと確認は取ります。

そして出て頂いた方は豪華なのに、活かしきれない自分の文才のなさ…!


白羊殿・閃光殿・暁殿・サイクラノーシュ殿

キャラクター様お貸し頂いて有難うございました!!




とある休日の、麗らかな午後。


普段であれば町の人々や、休暇を楽しむ兵士で
賑わうオーラムの喫茶店が、今日は異様に威圧感を
感じさせる空間になっていた。


それもそのはずであろう。
珈琲を楽しみ、パンエッグに舌鼓を打つ人々の
視線の先には…歴戦の猛者として名高い5人が集っているのだから。


【老いては益々壮んなるべし】


「…しかしまぁ、見事に懐かしい面子が揃ったもんだねェ」


紅茶を優雅な仕草で一口飲んでから、
美しいプラチナブロンドの髪をした淑女が口を開く。
仕草の一つ一つに気品があり、今も気高い美しさを保つ容貌は、
往年の美貌を人々に容易に想像させる。


白狼の剣姫・アンジェラ。
ブリアティルトに知らぬ者はいないであろう、
セフィド神聖王国の誇る英雄・クリスの師であり、
自身も卓越した武を誇る女傑である。


「なっはっは!何だか昔を思い出すな!こうして全員 
 集まんのはどれくらいぶりだろうな」


アンジェラの対面の席に腰掛けているのは、服越しにも
その鍛え抜かれた筋肉が見て取れる、豪快な老人。
人懐こい笑顔を浮かべているものの、鋭い瞳は
肉食の獣を思わせる獰猛さを秘めていた。


拳闘王・ゼイン。
素手で鎧をも打ち砕く怪力を誇る猛者であり、
こちらもオーラム共和王国の名高い将・エルトの師である。
修羅界という世界の出身であり、他の武術家とは異なる
独特の戦い方をする男だ。


「儂はうまいプリンがあると聞いてここに来ただけじゃが。
 …たまには遠出してみるものよ。久しいのぅ、おぬしら」


そして、少し離れた場所で一人、噂の絶品プリンを
堪能する学者風の老人が、懐かしい面々を見て
微かに瞳を細めた。
ほんの少しでも魔術の心得がある者なら、
彼の放つ異様なまでに高い魔力に気付くであろう。


底知れぬもの・エイボン。
魔術師垂涎の品と言われるエイボンの書の著者であり、
ヴァルトリエ帝国屈指の魔術師…
もとい、魔法少女であるリースの師である。
奉仕種族という生命体を従えている。


「私はアンジェ達とはよく顔合わせるけどね。
 このメンバーが集まったのは確かに久し…!
 ここのパンプキンパイ、すごく美味しいね!」


パンプキンパイを頬張る、一見若く可愛らしい少女。
しかし、人々が彼女に目を奪われる理由は、
その整った容姿故、というだけではない。
彼女が浮いているからである。


鉄壁三姉妹の師匠・クスキ。
その二つ名の通り、マッカ連邦王国の防衛の要である鉄壁三姉妹の師であり、
かつてオーラムが専制君主制だった時代を知る才媛。
生前の才気は霊となって衰えるどころか、
むしろ年々輝きを増しているとすら思える。


「…賑やかな事だ。時にはこういうのも、悪くないか」


左眼に大きな刀傷があり、漆黒の鎧に身を包んだ白髪の老人が、
旧友達の姿を見て笑ってそう言った。


不動不殺・ウォルフガルド。
イズレーン皇国軍に仕える将・狼厳の部隊の顧問であり、
実質的に師を務めている。
若い頃ほどの力はないものの、長年培った経験と技術で、
現在も狼牙志士隊として前線に立ち続けている。


いずれも弟子を持ち、若き頃より親交のある5人。
時には敵として刃を交え、時には共闘し、強大な敵とも
互角に渡り合ってきた。

威圧感、と形容したものの、彼らの間にピリピリとした
空気など欠片もない。
ただ彼らの持つ威厳と風格が、周囲にそうしたものを
感じさせているに過ぎない。


「…しかし、最近の騒ぎ…あれは、ちと骨だねェ」


ふいに、アンジェラが真剣な面持ちで呟く。
その言葉の意味を察した4人も、同意するように
小さく頷く。


「フェネクス、だな。聞いた話じゃマッカのほうでも
 暴れまわってるそうじゃねぇか。何かあったのか、クスキ?」


「うん…うちの上の人が、フェネクスを復活させようとしたんだけど、
 失敗に終わったみたいでね。寝てるとこを無理に起こされたもんだから、
 あの子ご機嫌斜めみたいなんだよ…」


ゼインがクッと一息に水を飲み干して尋ねれば、
先程頬張っていたパンプキンパイは完食したのだろう、
口を上品な仕草で拭ってから、クスキが答えた。


大魔鳥・フェネクス。
マッカでは守護霊鳥として崇められている存在だ。

本来であれば休眠期であるはずが、ワルドナールによって
覚醒させられ、現在では見境なしに暴れまわっている。

フェネクスを守護霊鳥と崇めるマッカの長であるゼヒュンが、
討伐を決意するほどの事態だ。
事の重大さは推して知るべしであろう。


「儂はリース達との遠征の帰りに遭遇したぞい。
 往年ほどの力はないようじゃが、それでも力なき民には
 脅威であることには違いない」


「儂のほうも、狼厳と走りこみをしている際に。
 エイボンの言うように、7年前に対峙した時に比べると
 手応えはなかった。恐らく、不完全な覚醒ゆえであろうな」


一方で、最近フェネクスと対峙したエイボンとウォルフガルドが、
その実力について語る。

7年前…刻碑暦992年。
フェネクスの活動が活発化し、各国に甚大な被害が出た。

それに対抗すべく、セフィドとオーラムは合同で討伐軍を編成したが、
それより前に、クスキを除く4人はそれぞれの国で、
マッカに籍を置くクスキは故国たるオーラムで、
フェネクスの猛威から人々を救うべく対峙していたのだ。


「とにかく、早期に討伐できれば良いのだがな。
 このまま被害が出ているのを見過ごすわけにも…」


ウォルフガルドが続けようとした言葉が、独特の、
甲高い声にかき消された。
5人は、そして周りにいた民衆も、誰もが同時に空を見る。


青い空に羽ばたく、破滅を運ぶ紅の翼。


『フェネクスだー!逃げろー!』

誰が叫んだか、その声を皮切りに、民衆は悲鳴をあげ、
泣き喚きながら蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。

大魔鳥の襲来である。
それが当然の反応なのだが…それに立ち向かう影が、5つ。


「―まぁ、何にせよ」


5人の先頭に立つアンジェラが、不敵な笑みと共に
口を開いた。


「力の弱った小鳥の一羽や二羽。
 アタシらにかかりゃ、返り討ちさね」


その言葉を聞いた4人は、一瞬虚を突かれたような顔をするが、
すぐにアンジェラと同じように、笑みを浮かべた。


「なっはっは!確かにそうだな。これだけ面子が揃ってんだ、
 フェネクスでも返り討ちに出来るだろうぜ!」


「まったく…アンジェは相変わらずだねぇ。
 ふふ、守護霊鳥さんとは言え、今は討伐令も出てる。
 皆と戦えるなら、心強い事この上ないね!」


「腰の具合が良くないので、あまり無理はしたくないのじゃが。
 …ま、おぬしらがおれば、楽は出来そうじゃの」


「恐ろしい連中だな…相手は大魔鳥だと言うのに。
 …まぁ、儂も負ける気はせぬが」


5人は各々武器を構え、大魔鳥に挑んでいった。





それから1時間後。
オーラムの町は奇跡的に被害はほとんどなく、
死傷者も出さずにフェネクスを撃退することに成功した。


オーラム正規軍が到着した頃には、既に現場に
5人の姿はなかった。


次に出会う時は戦場であろう。
しかし、それでも構わないと、ウォルフガルドは思っていた。


共に戦った時の、あの高揚感と安心感。


時がどれほど流れようと、立場がどう変わろうと。
あの5人の『腐れ縁』は、きっとそのままであると確信できたから。
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